週に一度は更新したいと思っています追憶ブログ。
(って宣言することで自分を追い込むスタイル)
このエントリーでは、舞台上の装置(セット)について徒然と。
劇団五〇鬼 2017冬公演『なんどのあわせ』。
タイトル通り、納戸のお話でした。
古くからの日本の家にある納戸。
物置とかウォークインクローゼットとかユーティリティルームとか(笑)呼ばれますかね。
岡山市内のある町。
死期を迎えたひとを納戸で看取る風習「ナンドサマ」をいまだ続けている町内会で、
その風習をやめたい者、続けたい者、利用したい者、まぎれ込んだ厄介者。
町内会長のまつるさんが大家をしているみかど荘が舞台です。


みかど荘の玄関、廊下、廊下の途中に納戸の扉。
「住めそう」と感想をいただけるほどに、しっかり作りこんだ装置でした。
全部劇団員の男性陣のお手製の装置です。
すごいよ…本当に…
なかなか、このクラスの小劇場・このチケット料金でここまでのセットを組む団体は無いのではないでしょうか。
廊下が、客席の正面からはちょっとナナメに作られてるのがポイントですよね。
玄関の上がり口に背中を向けて座っても、役者の顔が見えやすくなっています。
玄関のすりガラスはそれ風のシートが貼られてます。
思ってたよりも、その向こうに立っている人の姿が見える。
効果的な透け方だったんじゃないかと思います。
(ホントはプラ板みたいなのにヤスリ掛けてすりガラス風にしたかったみたいですが…)
そして、黒電話。懐かしい感じ。
森脇さんが倉敷のご実家から持ってきたそうです。黒電話としては次世代機だとか?
(通信速度があがって、ダイヤルの戻る速度も速いみたいです)
電話を置く台も、ご実家から一緒に持ってきたものです。
置くと保留音のメロディが鳴る仕掛け付き。このオルゴールが夜中とかなってたら超怖いよね…
下手には暖簾がかかっていて、そこから奥に行くとトイレと2階にあがる階段、手前側には台所(でえどこ)です。
私はこの暖簾を押し開けて廊下を駆け込んでくるシーンが多かったので、毎回準備のときに廊下の滑り具合を確認しておりました。
なんか調子がいいときはツーっとすべって突き当りの壁に当たっちゃうんですよね。
でも、この突き当りの壁も私ならぶつかっても寄りかかっても大丈夫!なくらい頑丈に作ってくださってました。
共演者の
梅田詩央ちゃんのブログにて、玄関扉の鍵について触れてます。
(滴り落ちる汗!の時に下にいたうちの一人です、私)
このタイプの鍵、私はめっちゃ懐かしい。母校の窓がほとんどこのタイプの鍵でした。
経年で劣化して、しめるのにコツが要るようになったりするのよねー。
そして、納戸。
重厚な扉は、日によって開き具合の手応えが違ってて、それは湿度なのかみんなの疲労の蓄積なのかなんなのか。
今回、役をつくる上で“納戸”に対してどういう感情を持っているのかというのはキーになってくるところだと思うのですが、稽古場で想像して思い描いていた納戸と、劇場で実際に目にし手で触れる納戸はその存在感が圧倒的に違ってて、対峙した時の心持ちにも否応なしに変化がありました。
そして、この納戸、予想外に中が広く、最終的にはかなりの人数でギュウギュウに収まったりできるほどだったんですが
(この時の、扉を閉める私の顔芸がひそかにお気に入りです…)
休憩時間には納戸内でお昼寝したりマッサージしてもらったりしてました。
納戸。
すてきななんど。
追憶のそのさんに続く。
テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術